鎌倉にある常栄寺の御朱印です。見開きの和歌という珍しい御朱印です。
日蓮と老婆の故事にちなみ、別名「ぼたもち寺」と呼ばれる寺院
寺の通名の由来は、龍ノ口の刑場で処刑されることになっていた日蓮に、一人の老婆が胡麻のぼたもちを差し出したことにちなみます。その頃、日蓮は法華経を唱えることこそが唯一の救いの道であると説き、さらに他の宗派を否定したことで、幕府に睨まれていました。遂に1271年、日蓮が捕縛されると死刑に処せられることが決まります。
刑場へ向かう引き回しの途中、最後の供養に捧げたいと日蓮に胡麻のぼたもちを差し出したのです。老婆の名は桟敷の尼といい、兵衛左衛門尉祐信の後家でした。ぼたもちといっても、作るのが間に合わずにありあわせの赤飯に胡麻をまぶしたものだったと伝えられています。
日蓮は龍ノ口にて夜、処刑が行われようとしましたが、江ノ島方面の空に光る物体が出現したために、処刑者や武士が恐れをなして処刑は中止になり、日蓮は刑を免れることになったのです。老婆が渡したぼたもちは「首つなぎぼたもち」として語り継がれ江戸時代になってこの地に寺が建立されました。寺の名の常栄寺とは、桟敷の尼の法名である妙常日栄から名付けられました。
小さな寺院であるため、寺務所は普段は無人ですがインターホンを押すと御朱印の対応をしていただけます。日蓮宗かどうか聞かれ、日蓮宗の場合には法華経を。違う宗派の場合には写真のような御朱印をいただくことができます。
この和歌は、くだんのぼたもち故事を詠んだものです。
この御朱印はここでもらえます
常栄寺
山号:慧雲山
宗派:日蓮宗
ご本尊:三宝祖師
神奈川県鎌倉市大町1-12-11
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