新潟県・浦佐にある浦佐毘沙門堂(普光寺)の御朱印です。
素朴でありながら、緻密な細工に感動
上越新幹線・浦佐駅から徒歩数分の距離にある浦佐毘沙門堂。
日光東照宮の陽明門を模して造られたという山門が出迎えてくれます。なんと釘を1本も使っていないのだとか!
本家の陽明門のように金泥で彩色を施されているわけではないのですが、彫刻の一つひとつが精巧で見入ってしまいます。
山門をくぐると天井には双龍図が。正式名称は「双龍図板絵」というそうで、江戸中期の絵師・谷文晁によって描かれたもの。鮮やかに遺っているようにみえますが、描かれてから百年以上が経過して風化していくのを惜しんだ地元の人の声により、1997年(平成9年)に修復されたのだそうです。
そして山門の先には長い回廊がありました。
坂上田村麻呂によって建立されたと伝わる浦佐毘沙門堂
浦佐毘沙門堂は807年(大同2年)の建立と歴史が古く、坂上田村麻呂の東夷征伐の際に国家鎮護を願って建立されたと伝えられています。
1680年に建立した本堂には毘沙門天が安置され、信仰を寄せていた日光東照宮の眠り猫を彫った江戸の名工・左甚五郎が猫の面を彫って奉納したのだそう。ところが、猫の面が大きな声で鳴き出し人々を不安にさせたところ市中から火の手があがり、浦佐に大火が起こったのだそうです。さらに不思議なことに火の手が山門まで届きかけたその時、山門の龍の彫像の口から水が吹き出して火を防いだのだそう。
どの龍が水を吹いたのかはわかりませんが、不思議な伝説ですね。
3月には日本三大奇祭「裸押合大祭」が行われる
この毘沙門堂では、毎年3月3日に「裸押合大祭」が裸の男衆によって執り行われます。祭りには重さ約30kgもの大きなローソクを使用するため別名「大ローソク祭り」とも呼ばれています。
今から1,300年ほど前、坂上田村麻呂が祝宴を開き、宴の中で歌って踊って士気を高めたことが祭りの始まりだといわれています。年に1回初詣の正月三日に御開帳をしていましたが、全国各地から熱心な信者が毘沙門堂を訪れ、我先にと参拝しようともみ合い押し合ったこと、除災招福を祈って参拝前に水行を行うことが時を経て混じりあい、やがて全員が裸でご本尊に祈りを捧げる祭りへと確立していったとみられています。
この御朱印はここでもらえます
浦佐毘沙門堂(普光寺)
山号:吉祥山
院号:多聞院
宗派:真言宗豊山派
ご本尊:大日如来
新潟県南魚沼市浦佐2495
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