東京・湯島にある心城院の御朱印です。
江戸時代の伝説の豪商・紀伊国屋文左衛門も帰依した寺院
湯島というと湯島天神が有名ですが、湯島天神へとつながる男坂の石段の下手にあります。
江戸の豪商・紀国屋文左衛門も深く帰依したという心城院は、もともとは湯島天神と一体になった別当寺の宝珠弁財天堂と称していました。
湯島天神は菅原道真公をお祀りしていますが、太宰府に配流になった際に聖天様を深く信仰し、冤罪がそそがれるよう祈念を続けたのだといいます。徳川5代将軍・綱吉の頃に湯島天神内に聖天様を祀り、湯島の聖天様として江戸庶民から深く信仰を集めましたが明治の廃仏毀釈運動により湯島天神と切り離され、現在の心城院に改称して現在に至ります。
寺院では縁起がよいと言われる亀を池に放流していて、別名・亀の子寺とも呼ばれているのだとか。ご住職のお話によると、日本に古くからいる種類の亀だそうで、とある大学も調査に来たことがあるのだといいます。訪れた際には子ガメが孵化していたようで、小さな亀が泳ぐ姿が可愛らしく一見の価値があります。
心城院は、亀以外にも江戸名水にも数えられた“柳の井”と呼ばれる井戸があります。江戸時代の文献、『江戸砂子』や『御府内備考』には
「この井は名水にして女の髪を洗えば如何ように結ばれた髪も、はらはらほぐれ、
垢落ちる。気晴れて風新柳の髪をけずると云う心にて、柳の井と名付けたり」
とあります。現代文でいうと、次のようになるでしょうか。「この霊水で髪を洗うと、風に揺れる柳のようなサラサラとした髪になる。さらに心もスッキリして降りかかる厄も払ってくれる」
こんこんと湧き出るその水は、関東大震災の影響も受けず、多くの避難者の喉を潤したことから、当時の東京市長から感謝状も授与されています。
この御朱印はここでもらえます
心城院
宗派:天台宗
ご本尊:大聖歓喜天
ご利益:夫婦和合、縁結び、家内安全、商売繁盛、金運、子孫繁栄
その他:江戸三十三観音札所
東京都文京区湯島3-32-4
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