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奈良が鹿に優しいまちづくりを進めていた

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奈良といえば、関東方面の学生にとって修学旅行の定番の行き先のひとつ。バスガイドさんから奈良の早起きの話や、春日大社と鹿の話をされた人も多いはず。

そんな奈良の春日大社~興福寺周辺へ久しぶりに訪れたところ、鹿に優しいまちづくりを感じる取り組みがあったのでご紹介します。

 

なぜ春日大社の周辺に鹿が多いのか

奈良の鹿愛護会が調べたデータによると、奈良公園に生息している鹿の数は、およそ1400頭だそう(平成25年の調査結果)。国の天然記念物に指定された野生動物で、毎年頭数がきちんと管理されています。
鹿は春日大社が造営された奈良時代、茨城県の鹿島神宮から神様をお連れする際に鹿の背中に乗って神様がやってきたという故事があり、鹿は神の使いとして大事にされてきました。

鹿垣と呼ばれる木戸をつくって市街に出ないようにしたり、奈良時代から江戸時代に至るまで大切に保護されてきた鹿。ところが、明治時代になるとこうした様子が一変します。維新直後には鹿を銃殺・密猟する者もでるなど、守られてきた禁則が弛んでみるみるうちに個体数が減少します・

事態を重くみた関係者は、1892年(明治25年)に春日鹿神会を結成して夜間に特定の場所へ鹿を収容して保護する施策を始めました。春日大社の万葉植物園は、このときの鹿園の跡地に作られています。

ふたたび鹿を守ろうとする動きも、第二次世界大戦中は食料として狩られてしまいます。なんと終戦直後は、約80頭にまで減少したそうです。

 

鹿への配慮を欠かさない奈良のまち

春日大社、東大寺、興福寺のあるあたりでは山道でよく見かける鹿の飛び出し注意の看板が掲示されています。というのも、交通事故による鹿の死亡事故が多いのだそうです。
以下、奈良の鹿愛護会のサイトを引用します。

[blockquote cite=”一般財団法人奈良の鹿愛護会”]鹿が被害に遭う交通事故が年間150件以上も発生しています。今年は100頭の鹿が、交通事故により死亡しました。(平成24年7月16日~平成25年7月15日)[/blockquote]

こうした事故を防ぐために、さまざまな標識が登場していました。

奈良が鹿に優しいまちづくりを進めていた

公園横は飛び出しが多いのか、このような注意をひくパネルが設置されていました。

道路は鹿・鹿・鹿のサインです。

注意と書かれたサインもありました。

 

道路以外にも、こんな注意書きが登場

日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語で書かれた鹿との接し方についての注意書きです。世界遺産に登録されたことで、京都のように奈良へも大勢の観光客が世界から来ています。

鹿のかわいい姿に、近寄ってせんべいをあげたり記念写真を撮る人も大勢いましたが、鹿は野生動物ですので一歩間違えば双方にケガが生じます。

注意書きはいたるところに掲示されているので、ぜひとも一読していただきたいものです。

まだ赤ちゃんの鹿も時折見かけました。かわいいかわいい。

 

奈良県奈良市雑司町469
[map]奈良県奈良市雑司町469[/map]

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