西国三十三所が1300年の節目を迎え、これから2020年までの5年間にわたって数々の記念行事が行われることがわかりました。平成28年1月26日に浅草寺で行われた記者発表から、とっておきの御朱印情報もあわせて情報をお届けしましょう。
日本最古の巡礼所「西国三十三所」とは
観音菩薩が人々を救うために示したと伝わる観音霊場。のちに観音菩薩が「33の姿に変えて人々を救う」という教えが広まり、観音霊場は「西国三十三所」として各寺院が札所となり、祈りながら巡礼していく文化が形成されました。「西国三十三所」の総距離はおよそ1,000キロ。その名のとおり和歌山県から兵庫県の関西エリア2府5県の巡礼ルートになっています。
月に1回1札所でしかもらえない、特別な御朱印
「ご朱印びと」で注目しているのは、この1300年記念事業を機に授与される新しい御朱印です。これまで数多くの記念御朱印が登場してきましたが、その多くは一定期間の授与があるものでした。
<これまでの記念御朱印の一例>
- 知恩院「徳川家康公没後400年記念」:頒布期間2015年中
- 下鴨神社「第34回式年遷宮記念」: 頒布期間2015年中
- 四国八十八ヶ所霊場「開創1200年記念」:頒布期間2014年中
ところが、今回の「西国三十三所」草創1300年記念で頒布されるのは、札所の番号順に毎月指定される日時にだけ特別な御朱印がもらえるというもの。次のような押印をもらうことができます。
一番最初の御朱印は2016年の4月24日10時から和歌山県の青岸渡寺で頒布予定です。次の2番札所以降の日程は次のとおり。
まだある! 「スイーツ巡礼」や1300年前の徒歩巡礼を再現
この記念事業では、特別御朱印のほかさまざまな企画が用意されています。そのひとつが「スイーツ巡礼」です。各札所のお寺スイーツを食べ歩くというユニークなもの。スイーツ巡礼で食べられるスイーツには、西国三十三所草創1300年記念事業のロゴマークがついているので旅の記念に最適です。記者会見の場では試食会も開かれました。
各札所が用意したスイーツを味見させていただきました。
33番札所はなんとシュトーレン。仏教の柔軟性に思わず脱帽してしまいました。
このほか、9番札所・奈良の興福寺では松葉のかたちをしたたまごボーロ「はなの松」、17番札所・京都の六波羅蜜寺は有名な「幽霊子育飴」などさまざまなスイーツが用意されています。
そしてもうひとつ注目したいのが1300年前の徒歩巡礼を再現する企画です。ほとんどの人がバスや電車、自家用車という乗り物を使って巡礼することが一般的な時代です。そんななか、あえて法灯をもって徒歩で巡礼する企画が一般参加者を募集して行われます。全ルートではなく、一部ルートでもよいので興味をもった人はぜひ古道の徒歩巡礼を体感してみてください。参加申し込みは事務局で行っています(ページ最後に連絡先をまとめておきます)。
ここ数年、高野山開創1200年や伊勢神宮、出雲大社のおかげ年などいわゆるメモリアルイヤーが続く寺社。お参りする私たちにも楽しい催しが続きます。2016年から5年間はぜひ、西国三十三所草創1300年に注目してみてください。
巡礼に関するお問い合わせはこちら
西国三十三所札所会事務局
電話:077-548-8621
FAX:077-548-8623