「本に載っていた御朱印と違う」問題が起こるわけ

「本に載っていた御朱印と違う」問題が起こるわけ

雑誌や本、最近ではテレビに至るまで御朱印集めを紹介するコンテンツであふれていますよね。
「あ、これいいな」
「この御朱印欲しいな」
と思って、御朱印目当てに寺社へ参拝に出かける人も少なくありません。

でも、いざ行った先で「あれ!? 見たものと御朱印が違うんだけど!」と思ったこと、ありませんか?

掲載されていた御朱印と違う理由はいくつかある

同じ寺社で、しかも取材日がそんなに古くないのに、どうしてこんなことがおきるのでしょうか。
その理由はいくつかあります。

理由1:御朱印の書き手が違う

当然なのですが、大きな寺社ほど書き手は複数人いらっしゃいます。
筆跡は人それぞれですから、結果として本で見たものと異なる御朱印をいただくこともあります。
しかし、それもまた御朱印の個性と捉えて、またの参拝の折に授与されてはいかがでしょうか。

比較用に、あえて同じ日に2ついただいた御朱印。書き手によって字体が異なることがわかる

 

巡礼地の寺院や、浅草寺だと御朱印の受付で複数人の書き手が座って対応されています。

御朱印帳に書き入れてくださる様子も間近に見ることができます。なかには、左右の方と比較をして「私、こっちの人に書いて欲しい!」と言って並びを無視したり、「あちらの方の字より、こちらの方のほうが好きだわ」と本人を目の前にして好き嫌いを言う人も…。
書いてくださる方は丁寧に、魂を込めて御朱印帳に文字を書いています。
こうした発言は無作法なものと心得て、異なる字の御朱印も楽しむ心の余裕をもちたいものです。

理由2:日蓮宗だと御朱印帳では「妙法」とだけ書かれることもある

本能寺の御朱印

日蓮宗の寺院でいただける髭文字書体の御朱印(御首題)。他の宗派が混じった御朱印帳だと「妙法」とだけ書かれることが多い。

過去記事「日蓮宗の寺院では御朱印を書いてもらえない?」でも紹介したように、日蓮宗の寺院では御朱印帳に御朱印を書いてもらえないことが多いのです。また、御朱印も御首題と名称が異なります。
書き入れてもらえる文字も独特で、髭文字と呼ばれる独特の書体。こうした御朱印(御首題)が欲しい場合には、日蓮宗専用の御首題帳を用意して参詣しましょう。

理由3:本に掲載用の御朱印がある

御朱印に関する取材や編集の仕事をしていると、保有している御朱印や御朱印帳の画像を使って誌面を作ることもあります。しかし、なかには取材先の寺社から「掲載にはこちらを使ってください」と御朱印画像を貸与されることもあります。これには、押し印や書き入れる文字が期間限定のものを掲載しては、参拝した人に通常期間でも貰えると誤解をされかねないという配慮もあります。
また、別の理由として「宮司が書いたものを掲載する」というルールを設けている神社も。宮司は神職の位の名称ですが、最上位にあたる宮司が書いたものを神社の顔になるよう配慮しているところもあるようです。
字のうまいヘタもありますので、掲載用には見栄えがよいものをと言われることもあります。

 

御朱印は印判を押す箇所もありますが、その大部分が手書きのもの。
そのために書き手の個性も出る、いわば一点一点がオリジナルです。
「本とまるきり同じじゃないと嫌だ」という人には、御朱印集めは不向きなものといえそうです。

違いを楽しみ、求めていた御朱印と違っていたら「また参拝においで」と言われているんだなという風に受け止めてみませんか?

この記事を書いている人:大浦春堂(syundo ohura)
編集者とか旅ライターとかやってます。御朱印と寺社旅メディア「ご朱印びと」運営中。お仕事のご依頼はコンタクトフォームからお願いします。

【こんな本書きました】『神様が宿る御神酒』(神宮館)、『神様とつながる暮らし方』(彩図社)、『御朱印と御朱印帳で旅する全国の神社・お寺』(マイナビ出版)は4刷目。

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